ブラッドリー・デュアストック博士 Bradley Duerstock

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18歳のとき、事故で脊髄を損傷して肩から下が麻痺し、電動車いすを使用するようになった。米国障害者法が制定されたころで、公立の大学などは障害への対応が始まっており、進学先を選ぶうえで重要だった。神経科学の分野で博士号を取ったあと、障害者の役に立つ研究をしようと工学の分野に戻った。米国国立衛生研究所の助成を得て、理系分野に障害者の参加を促すための取り組みも行ってきた。
ブラッドリー・デュアストック博士 パデュー大学工学部 教授
専門領域:神経科学と障害支援テクノロジー
学位:1999年に博士号取得(パデュー大学)
インタビュー時年齢:50歳(2021年10月)
障害の内容:18歳のときの飛び込み事故による脊髄損傷で四肢麻痺。電動車いすを使用。
その他の情報:科学アクセシビリティ研究所(Institute for Accessible Science)の創設者
困ってきたこと
学部時代はノートの筆記や実験作業のために人的支援を得られたが、大学院に進学するとより独立して研究を行うことが求められた。特に、実験のために顕微鏡のことを自分で理解する必要があった。
対応・工夫(周囲の対応含む)
研究資金を米国科学財団(National Science Foundation)から獲得し、アクセシブルな顕微鏡を自分で開発した。
研究室には恵まれた。指導教員は、どうしたら問題を解決できるかを指示はしなかったが、辛抱強く待ってくれる人だった。
やりがい
障害を持ちながらリハビリテーション工学に携わる研究者として、日常生活に役立つことを重視している。例えば、脊髄損傷の人に対して、多くの人は、歩けるようにできたらよいと考えるかもしれない。しかし、車いすを使って移動はできるので、当事者にとって解決を優先すべき課題はもっとほかにある。このように、障害のある当事者だからこそ得られる視点がある。