サラ・ランキン博士 Sara Rankin

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子供の頃から、周囲とは異なる仕方で考えたり、学んだりしていた。例えば、教科書を丸暗記するような勉強法はできず、様々な事柄を結び付け、絵や図も使いながら、全体像を把握する必要があった。ただ、他の人とは違うのだから、違う仕方で勉強すればよい、とは誰も教えてくれなかった。いわゆる「障害」があると診断されたのは40代になってからだが、自分ではそれを治療したほうがよい「障害」とは捉えていないし、人と異なる情報処理特性のおかげで創造的な仕事ができていると考えている。
サラ・ランキン博士 インペリアル・カレッジ・ロンドン 教授
専門領域: 白血球及び幹細胞生物学
学位:1989年に博士号取得(キングズ・カレッジ・ロンドン)
インタビュー時年齢:58歳(2021年10月)
特性(障害)の内容:脳神経的少数派(もしくは脳神経多様性)
40代で境界的な読み書き障害の診断を受けた
(※ご本人のアイデンティティとしては「障害」という言葉は使いませんが、便宜的に「発達障害」のタグで分類しています)
その他の情報:「2eMPower(トゥーエンパワー)プロジェクト」リーダー
困ってきたこと
自分の研究のうち論文公刊まで至らない部分が多くある。関心が別のものに移ってしまい、論文を投稿したあとに査読者からあれこれと要求されても対応する気が起きない。
経費を精算する事務手続きが難しい。
やりがい
神経的少数派の人々は、多数派と異なるがゆえに、創造的な仕事をできる。ビジネスの世界では、生産性が重視されるがゆえに、彼らの能力を発揮させる環境を整えようとしている。それに比べて、科学の世界では取り組みが遅れている。科学者として研究するのに必要な能力は、学校で評価される能力と同じではないので、本当に大事なことが何かを少数派の子供たちにも伝えたい。